UAE戦
Written on: 3月 23, 2017
Title : UAE戦
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UAE戦
いい試合だった。前半だけで考えると、個々の選手の身体が重そうで少し不安な面もあったのですが、その中で奪った1点をしっかりと守り、日本がリードした状態で後半につなげたのが大きかったと思います。
そして、後半に奪った2点目。決して日本のリズムでは無い中で奪った得点というのが非常に大きかった。得点後から前半に感じた身体の重さは完全になくなり、素晴らしいハードワークで相手の攻撃の芽をほぼ完璧に摘み取れました。2点目が取れてなければここまで綺麗に勝つことはできなかったと思いますので、あの2点目というのが今日の試合の大きな分岐点であったはずです。
試合全体の印象としてはこんな感じです。
個人評価
GK、川島。試合が始まる前に見せた表情は、かつて程の自信に満ち溢れたものでなかったので若干の不安を覚えましたが、実際のパフォーマンスはかなり良かったです。前半に大きなビッグセーブをし、その他の面、特にバックパスを捌くという点でもかなり安定していました。今日の出来に問題はなく、ナイスキーパーと言いたいです。
CB、吉田。今日のMOMだと思います。1対1の場面で完勝し、積極的なインターセプトも多く、決して日本ペースではなかった状況で日本側にボールをもたらしました。今日の吉田はケチを付けるところが一つもなく、正にプレミアリーガーでした。
森重。こちらは吉田と比べるとパフォーマンスは大きく劣るものでした。森重といえば確かな足元がウリのはずですが、今日の試合は持った時におどおどとした感じが強く、非常に消極的なGKへのバックパスが目立ちました。吉田が非常に良かっただけに、森重の不安定さが怖かったです。
SB、酒井宏樹。かなり良かったと思います。攻撃面で言うと久保へのパスなどいくつか良い縦パスを入れていましたし、それ以上に守備でのファイトが目立ちました。幾つかフリーでプレーさせてしまうこともありましたが、1対1では殆ど負けておらず、十分な強度を持ってプレーしていまいた。
長友。完全に衰えています。以前の長友が持っていた良さというものが一つも感じられない試合でした。逆サイドの酒井宏樹の奮闘が目立っただけに長友の衰えが無情にも感じてしまいました。以前のような長い距離を走る体力、相手を置き去りにするスピード、当たり負けしないフィジカル、それらは今日の試合では一つもありませんでした。
MF、山口。悪くはないものの、相手の攻撃の芽を摘むプレーはそれほど出来ていない印象です。それでも可もなく不可もなくなプレーはしていましたので、及第点といったところでしょうか。
今野。驚きの選出と言われていますが、今シーズンのガンバの試合を見ていれば呼ばれるのは必然としか思えません。スタミナは未だ衰えておらず、以前よりも試合を読む力を増しており、更にここぞというところでの攻撃参加のタイミングが抜群にいい(良くなっています)。多くの海外組が30前後で衰えであったり能力の低下を感じさせるなか、今野は今が全盛期といえるだけのプレーを見せています。そして、今日の試合においても素晴らしいプレーをいくつも見せてくれました。長谷部の代役としては十分どころか十二分だったのではないでしょうか。
香川。最低のプレーを見せてくれました。何一つとして良くなかったです。何故なんでしょうね。ドルトムントでのここ数試合の香川は非常に良かったのです。ボールを受ける動きは自身に溢れており、相対する相手の逆をよく突けていたのです。それが日本代表になったらこれです。プレーだけでなく表情からも自信のなさが伺えましたし、何故なんだろう。本来の香川が持っている力を考えると代表に呼ばれるのは当然だし、試合に出るのも当然ですが、今日のようなプレーをする香川であれば見たくないのが本音です。ものすごく勿体無いことだけど代表引退(距離を置くこと)も考えたほうがサッカー選手としては幸せになれるかもです。
久保。1点目のゴールだけでなく、随所で良いプレーが見えました。カードを貰ったシーンの守備もナイスとしか言えないし、試合を通して非常に良かったです。本田の穴は埋まっています。
原口。攻撃、特にドリブルが不味かったですが、守備での奮闘も考えると最低限と言えるでしょう。最低限と言うにはかなりの貢献があったのですが、日本代表での原口にはそれぐらい大きなものを求めたい、求めたくなる選手です。調子が悪い中でナイスファイトでした。
FW、大迫。もう一人のMOMです。以前の本田レベルで収まるので、守備陣が凄く楽になりましたね。ある程度アバウトなロングボールでもある程度競ってくれるし、隙あらばチャンスにもしてくれるので、とにかく頼もしい。岡崎の1トップに物足りなかったものを、大迫は完璧な形で表現してくれています。それだけに怪我での交代というのが非常に不安です。タイ戦は出れなくても他の選手の奮闘に期待するとして(タイを舐めているというわけではなく)、怪我が長引くのだけはなんとしても避けてほしいです。今回の予選だけでなく、今後も代表の軸となる選手のはずです。
続いて交代出場メンバー
倉田。まずまずではないでしょうか。香川の部分が攻撃だけでなく守備でも機能しておらず、倉田になったことで攻撃でも守備でもアクセントが一つ出ました。抜群とはいえませんが、まずまずではないでしょうか。
本田。ベンチに縛り付けておいたほうがいいです。本田がいることで精神的な強みになることは否定しませんが、ピッチの中での強みにはなっていませんでした。試合勘どうこうではなく、単純に身体は重そうだったし、準備ができているとは到底思えません。
岡崎。本田に比べれば十分動けていましたが、以前のゴールゲッターとしての嗅覚は既に失われています。原口からのパスは以前の岡崎であれば最低でも枠内ですし、普通に決めれたはずです。試合勘はあると思いますが、ゴール前での決定的な仕事は期待できません。案外トップ下で使うのならありなのではないだろうかと思います。
総評
勝ったことがすべての試合です。長谷部が居ない不安があるなか、結果だけ見れば完勝です。無論、危ない場面はいくつもありました。特に前半に一つと後半に一つ決定的な場面を作られているので、スコアほどの内容ではなかったです。UAEは普通に強いし、特にアフロ(10→21番)の選手は恐ろしく上手かったです。決してガタイはよくないですが、ボールは失わないし、キープしながら常に危険なエリアにパスを出してきます。前回日本で戦った時にも書いたことですが、日本の10番と比べると貢献度が段違いです。アル・アインがお金持ちなこともあって欧州に出ていませんが、実力は間違いなくそのレベルでしょうね。その相手に2-0で勝ったことが全てです。
次節のタイ戦、普通に考えればタイは格下なので楽勝と思われるかもしれませんが、割と不安材料は多くあります。タイの実力が大きく上がっているのと、技術とクイックネスに優れた選手が多いので、オーストラリアのようなミスマッチが起こる可能性を否定できません。大迫が出れないかもしれないという不安もあるので、決して油断せずに応援したいと思います。
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